福岡市泌尿器科医会会長就任にあたって
この度、第7代福岡市泌尿器科医会会長に就任させていただくこととなりました。本会は昭和54年に設立され40年以上の歴史があり、歴代の会長をはじめとする会員の諸先生方が積み上げてこられた有形、無形の業績、貢献により発展してきた会ですので、その責務の大きさに身が引き締まる思いです。
本会の会則第3条[目的]に「本会は会員相互の親睦を図り、医学、医術の発展を目的としてそのために必要な事業を行う」とあります。令和3年6月現在、新型コロナワクチンの接種が始まったとはいえ、まだまだ感染の終息が見通せない状況が続いています。親睦を深めることに対して非常に大きな制限、支障が続いているのが現状です。それでもWEB配信を主体として様々な形式での研究会、講演会が行われており、令和2年度はやむなく断念した市民公開講座も本年度はWEB配信で開催される予定です。このような状況下におきまして福岡市泌尿器科医会の活動やその意義を会員の先生方のみならず、まだ入会されていない先生方にもご理解いただけますように(そしてご入会いただけますように)、今まで以上の情報発信に努める必要性を感じております。
本会の「医学、医術の発展のために必要な事業」の大きな柱として、福岡市前立腺がん検診があります。検診全般に対して以前より厳しい目が向けられている現状がありますが、福岡市前立腺がん検診は福岡市より委託を受けた検診としてその意義が認められています。福岡市前立腺がん検診委員会会長(本会副会長)の古賀寛史先生のご尽力もあり、質と量の両面において全国有数の前立腺がん検診となっております。また本会は様々な研究会、講習会の共催、後援も行っていますので、今後も医療環境や社会情勢に見合った形での医学、医術への貢献をさらに進めて参ります。
先代の山口秋人先生のご尽力によりまして、それまで脆弱であった医会の経済的基盤が強化されました。今後はさらに活動の質を高め、裾野を広げることを念頭に会長としてのつとめを果たしたいと思います。微力ではございますが、会の発展のために誠心誠意尽くしたいと存じますので、会員の先生方のご支援、ご指導を何卒よろしくお願いいたします。
令和3年5月25日
国立病院機構九州がんセンター 泌尿器科 部長
中村元信